こんにちわ
火曜日ですね
今日のフィラデルフィアは 生憎の雨
だけど 私好きだわ 雨の日って
あ そうは云ってもね 私だって 青空が一番好きよ
もうね フィラデルフィアの青い空 本当に素敵なの
" ブルー スカイ ブルー " まさにそんな青
みんなにも見せてあげたいわ
あら ごめんなさい 雨の日のお話しだったわね
あのね 雨の日って 庭の芝や 花壇のお花達が みーんな生き生きしているの
だから好きなの 雨の日が 私 お花屋さんで働いていたのよ
水を浴びた店先のお花達 きらきらに輝いていたな
あらあら 息子のロバートったら
買ったばかりの長靴を履いて 親友のダニエルと 夢中で走り回っているわ
そういえば ダニエルは今度カリフォルニアに引っ越すのよね
こんなに仲が良いのに 寂しくなるわ
あ あぶない もう ロバートったら 転んで泥だらけ
やだわ お洗濯が大変なんだから
ほんとにやんちゃで困っちゃうの 一体 誰に似たのかしら
ね あなた
ちょっと あなた 聞いてるの
やだわ もう
買ったばかりの自転車を抱いて 眠っているわ
ミッキーや兄さん達と この自転車に乗って 釣りに行くんだって
この地には桃源郷が存在するんだって
何だか 熱く語っていたわ 女の私にはよく分からないんですけどね
男って ほんと 単純よね ほんと 子供だわ
あ 今 笑った
ふふ 彼ったら 寝ながら笑っているわ
きっと 夢の中で 大きな魚を釣り上げているのね
ほんっとに 子供なんだから 何時まで経っても 男の子なのね
そうね 貧しかった あの頃も
成功した この今も
あなたは ずーっと 男の子なのよね
やりたい やりたいんだって
ただ それだけなのよね
後先なんか 関係無いのよね
そうね
あの日も こんな雨の日だったわ
ね あなた
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兄さーん 兄さーん
ねー ポーリーってば 聞こえてるの
ねー タオル取ってちょうだい
きゃっ ロッキー
やだ 兄さん 来てるんなら教えてよ
もう 恥ずかしいわ
兄さんの名前は ポーリー 精肉店で働いているわ
そして 彼の名前は ロッキー
兄さんの親友 そして 私の片思いの相手でもあるんだ
彼 ロッキーは ボクサーなんだけど
試合の賞金だけでは食べていけないからって
なんか高利貸しの用心棒みたいなこともしているらしいの
心の優しい彼なのに 心配だわ
私たちは貧しかったけれど
とても 仲良く
とても 楽しく暮らしていたわ
この街 そう 大好きな街 フィラデルフィアで
そんなある日 私たちの運命の針が大きく揺れ始めたの
そう それは突然に ね
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ちょっと 兄さん 兄さんってば
一体 どういうことなの
ロッキーが世界チャンピオンと戦うんですって
しょうがないだろ もう決まっちまったんだ
あいつ 一回は断ったんだ だけどさ 無理やりに
ちぇ もう 決まっちまったんだよ
そんな 兄さん
なんで止めないのよ
ロッキーにもしもの事があったら どうするのよ
絶対勝てっこないわ だって 相手は世界チャンピオンよ
そりゃ 俺だって止めたさ
だけど
だけどさ
ロッキーのやつ
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なけなしの金をはたいてスポンサーになってくれた ポーリー
マネージャーをしてくれる ミッキー
そして 最愛の人 俺の生きがいの彼女
そうだ 俺は一人ではないんだ
今の自分には 確かに人生の目的や愛 支えてくれる人たちがいるんだ
過酷な練習にも耐えた ここまで来たんだ やるしかないさ
もし 最終15ラウンドまで リングの上に立っていられたら
自分が ただのゴロツキではないことが証明できるはずだ
そうだ
みんな 見ていてくれ
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もう ダメ 見てられないわ
ロッキー もう充分よ
ダメよ 本当に 本当に最後まで戦うつもりなのね
もうやめて ロッキー 血だらけじゃない
ああ 神様 どうかロッキーをお守り下さい
ダメよ しっかりと見るのよ
彼を一人にしてはダメ そう私がついてなくっちゃ
彼は一生懸命に戦っているじゃない そうよ
しっかり見なくっちゃダメよ
カーン
ああ 終わったわ とうとう終わったのね
" ケダドリアーン "
ああ 彼の声が聞こえる 確かに聞こえるわ
歓声に消されても 私には聞こえるわ
" ケダドリアーン "
早く 彼の元へ 早く 行かなくっちゃ
" ケダドリアーン "
ええ 聞こえるわよ ロッキー 私 はっきりと聞こえるわ
私はここよ ロッキー 今行くわ
" ケダドリアーン "
ああ 聞こえるわ ロッキー
はやく はやく行かなくっちゃ
ちょっと どいてちょうだい
じゃまよ はやくどいて
ああ もう じゃまだってば
もう じゃまよ どけよ ジジイ
ああ もう おすなっていってるだろ ジジイ
きゃっ たおれる
きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
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は
夢
か
身体が 痛い
何だ 怪我をしているのか
一体 何が起きたんだ
くそ 何も思い出せやしない
ここは 何処なんだ
ん マルセイユ そうか フランスか
しかし 何故 マルセイユに
何だ このマイクロカプセルは
スイス銀行 口座番号みたいだな
くそ 一体 俺は 何者 なんだ
しょうがない くそ
とりあえず 行こう
スイスへ
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彼の名は " ケダマ・ボーン "
某国の諜報員 そう " Spy " である
彼は
" Mission " に失敗し 怪我を負い 記憶喪失となっていたところ マルセイユの漁師に助けられたのだ
これから起る 様々な出来事
そして ひとつひとつ明かされる 謎
どうする " ケダマ・ボーン "
どうなる " ケダマ・ボーン "
" To be continued "
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なーんて くだらない事をダラダラ考え ゴロゴロしていた週末
皆さんいかがお過ごしでしたか
Kedama です
訳あって離れ離れの " Ponta 君 "
久しぶりに 二人きりで過ごした週末
久しぶりに出会う二人 お互いに照れながらも 意識し合う二人
そして いつしか縮まる距離 重なる手と手
見つめ合う二人
あゝ 夏が終わる
火曜日ですね 秋の訪れ
Kedama